埼玉県の中世城郭 



 

寄居町3 

 ◆①記号SKは、現地調査の生DATA=スケッチを示す
 ◆②『 』内の城は、調査したが、遺構が見あたらないまたは城とするかどうか判断の迷う物を示す。
 この場合、縄張り図の代わりに、地籍図や写真等を掲載している。
 (注)遺構が無いからと言って、そこが城として否定しているわけでない。
 ◆③図は断りのない場合、上面が北を示す。
  パソコンの特性上、縄張りをすべて画面上に掲載できていない場合がある。



 花園城  まぼろし城?


花園城   電子国土へのリンク ※中心位置表示にチェックを入れてください

第1回~11回のプロセス編は公開を中止しました。今は、図面だけを公開させていただきま。今後まとめのページを作ります。


 ◆マウスを乗せると赤く表れるのは、木橋の想定位置です。(スマホの方は触るとページ先頭に飛んでしまいますが、ご容赦ください)


 本図面の段々曲輪は、近代のみかん畑の跡ということが判明しています。 

渡邉 様

お世話になっております。
寄居町役場農林課の●●と申します。

お問い合わせいただいた花園城跡地山腹にある段々ですが、ご推察のとおり以前みかんの栽培をしていたようです。

個人農家さんが栽培していたもので町で把握はしておらず、上記の内容も付近の農業に詳しい方にお話を伺いました。

ご確認よろしくお願いいたします。

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 寄居町 農林課 
 〒369-1292 寄居町大字寄居1180-1
 まとめ 工事中
 
主郭  
     
主郭である。
花園城の碑である。

碑は立派なものであるが、山自体の整備はまったく行われていない。
ただ、お城フリークとしては、このような状態の方が萌える。
民家や訪れた人の目を気にせず、城跡調査に望めるからだ。

    

 うおーっつ!
なんと、

壁が直角である。
      傍らには、こんな石垣もある。

小倉城の石垣と似ている。
緑泥片岩の横積みの石垣だ。
      主郭から登ってきた反対側の斜面を覗くと、
くっきりと堀切が見える。
ここの切岸も直角である。
     誰がこの岩盤を削ったのだろうか?
どうみても、ものすごい土木量である。
この堀切を作るには岩を削ることになるのだ。

いくら割れやすい岩だと言ったって、
土を掘るのとはわけが違う。
     主郭には大きな土塁を伴った虎口がある。
      主郭周りには石垣が巡っていたようだ。
部分部分に残っている。
ここは縦に石が積まれている珍しい場所。
      主郭南の虎口土塁の石垣。
ここは緑泥片岩を横積みしており、周辺の城と積み方が酷似する。
 
 
 
 





まぼろし城?(俗称)   電子国土へのリンク ※中心位置表示にチェックを入れてください
 かんが言うにはな、そこは城では無いというてんねん。』 『ん、ほな城とちゃうかぁ~byミルクボーイ 2020/04/04   

  花園城で出会った地元の方がおっしゃるには、城の東方1kmに、なにやら城郭遺構があるという。
 
 彼が文化財担当者に相談したところ、”神社の跡だ!”  と言われたそうだ。
 しかし、彼は納得していないご様子。
 そんな思いもあり、彼は当所を ”まぼろし城” と呼んでいる。(今回はこの俗称を使用させていただいた)

         ◆国土地理院電子国土より

 それを聞いて第7回の時、管理人は、中城研の仲間と当地を訪れていた。
 みんなでパッと見で 「城とするにはちょっと・・・」 という結論を出している。

 
しかし、この時は縄張りの精査をしたわけでもないので、ちゃんと図化をして再評価したいと考えた。


早速、花園城第四郭から、まぼろし城に向かう。

花園城から当地に向かう途中は、結構草刈がされ、手入れされている場所がある。
まぼろし城を教えていただいた方には 「今後、花園城整備の話もある」 ような事も伺っていた。
その前哨戦であろうか?







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  さて、まぼろし城に近づくと段々が見えてくる。
  とりあえず最頂部まで登り、そこから調査を始めた。


 
  ◆主郭内部





しばらく踏査すると、
主郭から同心円状に段々曲輪が広がっている事が分かってくる。
同心円の段の切岸は、幅の広いものではないが、非常にしっかりしている。
この辺の様子は、花園城の西側斜面とそっくりである。


     






石垣も回っている。

だが、石垣は全周にあるわけではなく、

花園城方向の緩い尾根筋に顕著である









ちょっとボケてしまったが、このように段々石垣が登る。

















 ここまでで、踏査の結果をまとめてみた。

 【調査結果】

 
①=畑の可能性
  畑にしては、日の当たらない北側まで平坦地が回っている。
  これは畑としては奇異だ。
  しかもこの段々は不便な山のピーク付近だけにある。 
  農作業をするために、わざわざここまで登るというのか?

 ②=神社の可能性
  必要以上にある輪郭。
  神社であれば意味が不明。

 ③=城の可能性
  石垣が緩い尾根方向のみ顕著。
  守る方向があるようである。
  東面を除き、全方位明確な切岸が存在する。

 ④=古墳の可能性
  ここまで細かい何段もある段築が、古墳としてあるだろうか?
  事例では2,3段のような・・・
  管理人は知識を持ち合わせてない。

そんな疑問を役場にぶつけてみると、以下の回答が返ってきた。


渡邉 様

お世話になっております。
寄居町役場農林課の●●と申します。

お問い合わせいただいた花園城跡地山腹にある段々ですが
ご推察のとおり以前みかんの栽培をしていたようです。

個人農家さんが栽培していたもので町で把握はしておらず
上記の内容も付近の農業に詳しい方にお話を伺いました。

ご確認よろしくお願いいたします。

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 寄居町 農林課 
 〒369-1292 寄居町大字寄居1180-1

 

 やはり、この段々は花園城/花園御岳城、そして、まぼろし城含め、 『畑』 の可能性が高そうだ。

                   
段々は城の遺構ではない。

 よって、”まぼろし城” は城では無い、という結果になる。

 花園御岳城の項でもお話したい!

 


            ◆電子国土より・・・花園城3点トライアングル
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                                              (おわり)
 

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